本学名誉教授(元研究担当理事・副学長、研究推進産学官連携機構長)山本進一氏の逝去について

 本学名誉教授で元研究担当理事・副学長、研究推進産学官連携機構長(当時組織)の山本進一氏(豊橋技術科学大学 理事・副学長、名古屋大学名誉教授)が2022年9月3日に永眠されました。  

 故山本進一先生は、本学農学部助教授を務められた後に、名古屋大学農学部長・大学院生命農学研究科長、同大学理事・副総長、総長顧問などを歴任され、本学の森田潔前学長の招聘によって2011年から2017年まで研究担当理事・副学長等を務められました。

 理事在職中は、他大学が国の財源でリサーチ・アドミニストレーター(URA)を雇用する中、岡山大学の自主財源によりURAを雇用する"岡山大学URAの生みの親"として活動を開始するとともに、URAを「研究支援人材」としてではなく、大学の研究活動を理事とともに担う「高度研究マネジメント人材」として位置づけ、大学運営に参画させるなど、現在、他の大学・研究機関で求められている研究マネジメント体制の改革をいち早く進められました。その結果として、文部科学省「研究大学強化促進事業」の採択をはじめ、数多くの国やファンディングエージェンシーの事業などの獲得を主導されました。

 また、本学の強みのある学術分野をさらに強化するために、光合成研究を含めた植物学や基礎物理学、さらには異分野融合研究を推進され、現在の本学異分野基礎科学研究所の開設などにご尽力されました。人文・社会科学系においても、本学初の人文・社会科学系研究所となる文明動態学研究所の基礎を築かれました。 

 さらに本学だけではなく、わが国の研究大学群の底上げの必要性を強く訴えられ、研究大学群のコンソーシアムである「大学研究力強化ネットワーク(現 研究大学コンソーシアム)」の設立にもご尽力され、研究大学コンソーシアムでは全体会議議長として、本学を含めたわが国の研究大学群の研究力強化や改革に熱心に携わられてきました。

 本年1月にはURAスキル認定実施に伴う一般社団法人リサーチ・アドミニストレータースキル認定機構の初代機構長にもご就任され、わが国の研究大学群の底上げやそれを支えるマネジメント人材の育成推進などについて取り組み、多くの方々とともにわが国の研究環境を活性化させていこうとされていた矢先の今回の訃報であり、たいへん残念でなりません。

 ここに、山本先生の生前の多大なるご貢献に感謝し、謹んで哀悼の意を表するとともに、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

岡山大学URA 一同

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