SDGsゴール3「すべての人に健康と福祉を」:~well-beingな世界の実現にMedTechは何ができるのか~について佐藤法仁URA・副理事が講演

日時 2019年1月15日 

 「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals ; SDGs)」は、2015年9月にニューヨークの国連本部で採択され、17のゴールと169のターゲットなどからなり、「誰一人取り残さない」世界の実現を目指しています。岡山大学でも槇野博史学長が掲げた“槇野ビジョン”のもと、全学を挙げて地域などのさまざまなステークホルダーらと共にSDGsを強力に推進しています。

 今回、SDGsに設定されている17のゴールについて、17のそれぞれのゴールを紐解き、個々のゴールについて、どのようにターゲットと指標ベースでSDGs達成に貢献して行くのかという点について議論する場が1月15日、都内で開催されました。今回は、SDGsの17のゴールの内、「ゴール3:すべての人に健康と福祉を」について取り上げる場となり、岡山大学東京オフィス駐在で岡山大学SDGs推進企画会議委員である佐藤法仁URA・副理事(企画・評価・総務担当)[内閣府科学技術政策フェロー]が、ゴール3に対する科学技術・イノベーションが担う役割を紹介する立場として登壇。「well-beingな世界の実現にMedTechは何ができるのか」と題して講演を行いました。

 佐藤法仁URA・副理事は、はじめにSDGsの中で明言されている「well-being」に注目し、それをゴール3のターゲット・指標と関連つけて、SDGs達成の道筋を紐解きました。さらに、ゴール3はさまざまな分野の中で、特に医療分野が大きな役割を担うことから、医・歯・薬各々の産業界、あるいは単体企業が行うビジネスではなく、それら既存企業やベンチャー・中小企業がオープンイノベーションを実施し、新たな価値創造をもたらすことがゴール3に大きく寄与することを紹介しました。また、昨今のSDGsに適合した「SDGsスタートアップ」の多くが、新たな価値を生み出すテクノロジーを強みとしていることから、Medical×Technologyの融合である「MedTech」がゴール3にどのように寄与するのかを、MedTech系ベンチャー・中小企業の活動から具体例を挙げて紹介しました。さらに意見交換では、MedTech系ベンチャーがSDGsへ寄与する際のビジネスモデルやオープンイノベーション、人材の流動化のあり方、また臨床研究などにおける医師や歯科医師ら医療従事者との協働体制、その協働体制からSDGs貢献に帰するマインドセットとビジョンの明確化などについても、佐藤副理事・URAからアイデア出しなどが行われ、参加者らと共にwell-beingな世界の実現の活発な議論が行われました。

 岡山大学では、教育・研究・社会貢献の面において、全学を挙げてSDGsを推進し、多様なステークホルダーとさらなる連携を深めています。また、世界に伍する強みある医療分野を有しており、岡山大学病院を核として200床以上の基幹病院83施設が参加するわが国最大級の病院ネットワーク「中央西日本臨床研究コンソーシアム」を有し、約3万3千床を備えたメガホスピタル体制の構築が進んでいます。このスケールメリットを活かした新たな治療法、薬剤の研究・開発、人材育成などを積極的に取り組んでいます。これらの多くの実績に裏付けられた特徴を「SDGs転換」することで、ゴール3のターゲットベースでの寄与だけではなく、既存産業界やSDGsスタートアップなどとの連携により、ゴール3から他のゴールのターゲット達成への連動。さらにはSDGsの枠を超えたイノベーション創出へと寄与すると考えています。岡山大学では、これまで培ってきた岡山大学ならびに岡山の地での特色ある取り組みを継続しつつ、well-beingな世界の実現を着実に推進していきます。

 

〇参考
SDGs転換:アカデミアとSTI for SDGs 佐藤法仁URA・副理事がシンポジウム「SDGsを実現するためのイノベーション・エコシステム」に登壇(2018年7月11日)

「社会貢献活動から本業へのSDGs転換 ~SDGsターゲットを明確にした事業構想~」について佐藤法仁URA・副理事が講演(2018年11月12日)

 

 【本件問い合わせ先】
岡山大学リサーチ・アドミニストレーター(URA)室 [岡山大学東京オフィス]
TEL:03-6225-2905

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well-beingな世界の実現にMedTechは何ができるのか」について講演した佐藤法仁URA・副理事(企画・評価・総務担当)

 

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岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」を受賞しています。