SDGsゴール9「産業と技術革新の基盤をつくろう」:SDGsスタートアップの力をSTI for SDGsへ~リバース・イノベーションで社会実証から社会実装に至るヒント~について佐藤URA・副理事が講演

日時 2019年3月4日 

 2015年9月に国連本部で採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals ; SDGs)」は、17のゴールと169のターゲットなどからなり、「誰一人取り残さない」世界の実現を目指しています。国内外で盛んにSDGsが取り組まれている中、岡山大学では、槇野博史学長が学長就任時に掲げた“槇野ビジョン”のもと、SDGsを大学経営の中核のひとつに据え、全学を挙げてさまざまな業界や地域などのステークホルダーらと共にSDGsを強力に推進しています。そして、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」を受賞するなど、アカデミアにおけるSDGsを先導する大学として多方面で精力的に活躍しています。

 今回、SDGsの17のゴールについて紐解き、個々のゴールにどのようにターゲットベースでSDGs達成に貢献して行くのかという点について議論する場が3月4日、都内で開催されました。今回は、「ゴール9:産業と技術革新の基盤をつくろう」について取り上げる場となり、岡山大学東京オフィス駐在で本学SDGs推進企画会議委員である佐藤法仁URA・副理事(企画・評価・総務担当)[内閣府科学技術政策フェロー]が登壇。「SDGsスタートアップの力をSTI for SDGsへ ~リバース・イノベーションで社会実証から社会実装に至るヒント~」と題して講演を行いました。

 SDGsゴール9は「産業と技術革新の基盤をつくろう:レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」とされており、私たちの生活や産業に直結する内容となっています。今回、佐藤法仁URA・副理事は創業に関する点について、SDGsに関わるスタートアップを「SDGsスタートアップ」として焦点を当てるとともに、キラリと光る技術力(テクノロジー)を用いて既存産業のさらなる成長や新規事業としての技術革新を起こそうとしているSDGsスタートアップについて、国内外の事例をもとに紹介。海外の事例では特にt中国やアフリカなどの地域における取り組みについて、それを他国に転換するリバース・イノベーションの事例についても触れました。また本邦でのSDGsの取り組みも、その街や地域だけで通用するものではなく、わが国の他地域や特に世界の同じ課題を抱える地域に横展開できる「逆リバース・イノベーション」の手法も重要である点について事例を基に紹介しました。 

 佐藤法仁URA・副理事は「科学技術、特に学術・学問としての基礎研究とイノベーションは別物であり、これらを混在して物事を進めてはならない。STI for SDGsの場合、基礎研究をイノベーションに繋げる橋渡し役のひとつとして、SDGsスタートアップがあるかもしれない。このSDGsスタートアップが活躍できるフィールド、特に社会実証ではなく、社会実装の場においても共創できるフィールドの整備が必要である。そしてそのフィールドから世界に展開できるプラットフォームの再整備するなどの試みも必要である」とコメント。講演での事例などをもとに、SDGsのゴール9におけるSDGsスタートアップの可能性やわが国における新たな試みやそれに繋がるヒントなどを紹介。参加者らと共に熱心な意見交換を行いました。

 岡山大学は総合研究大学として、他分野に渡る研究力を有し、特に社会課題解決のための研究や科学も実施しています。また準備中の「オープインイノベーション機構」においても社会に新たな価値を提供する取り組みを実施予定です。引き続き、社会課題解決の遺伝子が培われて来た岡山の地から、SDGsをもとに社会のパラダイムシフトを起こす挑戦を精力的に進めて行きます。

〇参考
SDGs転換:アカデミアとSTI for SDGs 佐藤法仁URA・副理事がシンポジウム「SDGsを実現するためのイノベーション・エコシステム」に登壇(2018年7月11日)

「社会貢献活動から本業へのSDGs転換 ~SDGsターゲットを明確にした事業構想~」について佐藤法仁URA・副理事が講演(2018年11月12日)

SDGsゴール3「すべての人に健康と福祉を」:~well-beingな世界の実現にMedTechは何ができるのか~について佐藤法仁URA・副理事が講演(2019年1月15日)

SDGsゴール4「質の高い教育をみんなに」:教育研究が価値創造を実践する新たなステージが到来~自らの域を越えるパラダイムシフトへの挑戦~について佐藤法仁URA・副理事が講演(2019年2月5日)

 

 【本件問い合わせ先】
岡山大学リサーチ・アドミニストレーター(URA)室 [岡山大学東京オフィス]
TEL:03-6225-2905

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STI for SDGsにおけるSDGsスタートアップの活躍とリバース・イノベーションのヒントについて講演した佐藤法仁URA・副理事