本学のインパクト高い論文数がわが国全大学中第10位にランクイン

日時 2016年4月18日 
 本学のインパクトの高い論文数について、トムソン・ロイター社がわが国全大学で実施した「インパクトの高い論文数分析による日本の研究機関ランキング」で第10位(研究機関で13位)にランクインしたことが4月18日、発表されました。本調査は、「研究の量・質」を反映する同社のESI1)指標高被引用論文(Highly Cited Papers:HCP) 2)を用いられ、自然科学分野全体を含む総合分野におけるランキングとなります。

 現在、多様な研究組織の研究パフォーマンスを相対的に評価できる指標として、高被引用論文(被引用数がトップ1%の論文)が世界大学ランキング結果にも大きく影響しています。本学リサーチ・アドミニストレーター(URA)執務室では、高被引用論文によるわが国国内の大学のベンチマーキングを行い、トムソン・ロイター社が毎年の発表しているデータと合わせて研究分析結果の一部を公開しています。

 本学に関して、主な調査結果は以下のようになっています。
1. 総合(自然科学全体)
  直近11年間(2005~2015年)高被引用論文数は183報で、わが国全大学中、第10位。
  総論文数における高被引用論文数の割合が1.20%であり、高被引用論文数上位大学中4位。
2. 分野別の詳細
(1)国内全大学分野別ランキング10位に入った分野:
     植物学・動物学(4位)、臨床医学(6位)、社会科学(10位)
(2)高被引用論文数が最も多い分野:
   物理学(61報)、臨床医学(49報)、植物学・動物学(34報)

 本学は、平成25年8月に文部科学省が日本のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」としての高い研究力を有しています。これまでに強みある分野(物理学、臨床医学、基礎生命科学)の研究力強化・促進を戦略的かつ精力的に行ってきており、文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)の報告資料「研究論文に着目した日本の大学ベンチマーキング2015」でTop10%補正論文数(研究の質)の伸び率が全国第2位ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)のレポート「Nature Index 2016 Japan」で高品質論文数の伸び率が全国第2位と目覚ましい結果を出して来ています。今回のトムソン・ロイター社の発表結果も本学の研究力強化の取組が適切な方向に進んでいる経過証明になっています。今後も研究力強化促進の核として設置されている「グローバル最先端異分野融合研究機構(G研究機構)」を中心にグローバル社会において「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」としての立ち位置を増強する改革を進めていきます。また、本学は研究大学の有志で構成する「大学研究力強化ネットワーク」の運営委員を務めており、本学のみならず日本の大学全体の研究力強化に寄与するため、他の大学・研究機関と密に協同していきます。

1)ESI(Essential Science Indicators)
トムソン・ロイター社のデータベースから得られる学術論文の出版数と被引用数のデータに基づき、研究業績に関する統計情報と動向データを集積した研究分析ツールのこと。 http://ip-science.thomsonreuters.jp/products/esi/

2)高被引用論文(Highly Cited Papers:HCP)
論文の発表年、研究分野、文献タイプが考慮され、世界全体の被引用数によるベースラインでトップ1%に入る論文のこと。