岡山大学シンポジウム「科学技術イノベーションで地域と社会を元気にする~チャレンジをこめた第5期科学技術基本計画をめぐって~」を開催

日時 2016年2月24日 
 本学は大学の研究力強化促進に伴う学術の叡智を広く社会に還元することと、わが国の科学技術政策のもと、地域の独自色を持ちつつ先導・独創的な研究大学としてのあり方を地域社会と考えるシンポジウム「科学技術イノベーションで地域と社会を元気にする~チャレンジをこめた第5期科学技術基本計画をめぐって~」を2月24日、本学津島キャンパスにて開催しました。

 シンポジウムは本年4月から実施される国の「第5期科学技術基本計画」(平成28~32年年度の5年間計画)を見据えて開催されました。開催では森田潔学長が「今度の第5期科学技術基本計画は“チャレンジ”を込めているが、本学でも研究大学としての世界を先導する数々の取り組みや教育分野では国立大学初となる全学部60分授業・クォーター(4学期)制の実施など、他の大学にはない取り組みにチャレンジしている。チャレンジすることの共通点を深め、より良い活動に活かして行きたい」と挨拶。講演では、はじめに岡山県産業労働部の桐野伸一部長が「岡山県の産業振興(技術開発)施策について」と題して講演。岡山県の産業構造から次世代産業やベンチャーの育成策、大学などを巻き込んだ医療・福祉機器関連産業クラスターの形成などの産業振興について紹介。経済産業省中国経済産業局地域経済部の大原晃洋次長は「中国地域の産業競争力強化策について」と題して講演。中国地域経済の概観と自動車・電子デバイス・セルロースナノファイバー・水素エネルギーなどといった産業ポテンシャルについて詳しく紹介。またこのポテンシャルには地域企業と共に大学などの研究機関が深く関与していることを紹介。一般社団法人岡山経済同友会の萩原邦章代表幹事は「岡山経済同友会の活動と目指すもの」と題して講演。岡山県下の経営者らが集まる同友会のネットワークを利活用した地域振興や本学との連携協定をもとにしたさまざまな取り組み、特に医療関係で協同している医療都市構想についての具体例について紹介しました。

 特別講演では、内閣府の中川健朗大臣官房審議官(科学技術・イノベーション担当)が「第5期科学技術基本計画の概要~科学技術イノベーションで大変革時代を切り拓く~」と題して講演。わが国の科学技術イノベーション政策の司令塔である総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の最近の活動とともに、第5期科学技術基本計画の策定までに至る経緯や課題、新たな発見とそれを組み込んできた点、地域創生に資する科学技術イノベーションのあり方などについて紹介しました。モデレーターを務める本学の佐藤法仁研究担当学長特命・URAは、「世の中によく知られるのは大企業や有名研究機関の取り組みや連携などだが、地域にはその特性を活かした取り組みが数多く行われており、中には前述のような機関を凌駕する取り組みも多い。これは地域だからできる先導モデルかもしれない。また近年、ある程度完成に近づいた研究シーズをもとにした“応用研究”、短い事業期間内に完成見込みあるものの実施が先行し、じっくり長くできる基礎研究が難しくなってきているが、その基礎研究を支えている中には地域の企業や金融機関など、地域の組織の力がとても大きい」と紹介しました。

 続いて行われたパネルディスカッションでは、本学大学院医歯薬学総合研究科の狩野光伸教授が座長を務め、前述の講演者らとともにイノベーションの苗床となる場や人はどのようなもので、産学官金などの組織はどのような活動が必要なのかの意見交換を行いました。またパネリストとして登壇した株式会社テレビせとうちの江草明彦取締役・報道制作局長はマスコミから見たイノベーションや国の政策や地域の取り組みを「伝える」立場の人材育成や各機関とのネットワーク強化などについて意見を紹介しました。

 閉会の挨拶では、本学の山本進一研究担当理事・副学長が「科学技術イノベーションはとても広い分野をカバーするものであり、課題も数多くある。課題を解決するには国や地域、大学、企業などさまざまな立場の方々がその取り組みを紹介し、うまく融合し、課題解決を図れる流れを作ることが大切だと思う。来年度から始動する第5期科学技術基本計画でも本学のみならず岡山・中国地域の方々とともに協同して当たりたい」と挨拶しました。

 本学は、平成25年8月に文部科学省が日本のさらなる大学研究力向上や国際的な研究競争力強化等のために全国の大学・研究機関から選定した「研究大学強化促進事業」の選定大学(国内19大学)の一つであり、「リサーチ・ユニバーシティ(研究大学):岡山大学」としての高い研究力を有しています。この研究力を地域社会とともに活性化するとともに、わが国を先導できる唯一無二の研究大学、そしてその力でわが国の科学技術基本計画を支え、より良い社会への構築を目指していきます。

 なお本シンポジウムは本部科学省「研究大学強化促進事業」の一環として実施されました。

 第5期科学技術基本計画:
本計画は、科学技術の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための重要な計画であると同時に、より良い未来の社会を実現するための科学技術イノベーションを市民、大学・研究機関、産業界、自治体等が協同するとともに、地域の魅力あるさまざまな取り組みにも大きな期待を持つものです。また、大学・研究機関のマネジメントを行う執行部、URAの方々のみならず、研究者の方には研究活動に、自治体、企業関係者の方には事業計画などに直接関係する極めて重要な計画となります。

第5期科学技術基本計画の概要(内閣府):http://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/index5.html

開催の挨拶を行う森田潔学長

 
岡山県の産業振興・技術開発施策について紹介する岡山県産業労働部の桐野伸一部長

中国地域の産業競争力強化策について紹介する経済産業省中国経済産業局の大原晃洋次長

 
一般社団法人岡山経済同友会の活動と目指す点を紹介する萩原邦章代表幹事

特別講演で第5期科学技術基本計画の概要について紹介する内閣府の中川健朗大臣官房審議官

 
中川健朗大臣官房審議官の講演を熱心に聞く参加者ら

パネルディスカッションの座長を務める狩野光伸教授

 
パネルディスカッションを行うパネラーら
マスコミから見た第5期科学技術基本計画について意見を述べるテレビせとうち株式会社の江草明彦取締役・報道制作局長
 
パネルディスカッションを熱心に聞きる参加者ら
シンポジウム・モデレーターを務める佐藤法仁学長特命(研究担当)・URA
 
閉会の挨拶を行う山本進一理事(研究担当)・副学長

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